世間では新年を迎えると福袋の販売があるように、宮代町立図書館でも福袋が用意されているのをご存知ですか?
図書館に行くと、ついつい同じ本棚に向かってしまう方も多いのではないでしょうか。
そんな方に特に福袋を利用してほしい、と話す司書さん。
今年で6年目を迎える毎年恒例の福袋は、どんな想いで始められたのでしょうか。
福袋を作るのは司書さんたちで、テーマは自由に決められます。決定したテーマに関連する本を3冊選んでいれていきます。
どんな方が利用してくれるのかなぁ…喜んでくれるといいなぁ…という想いを込めて準備中です。
福袋が置かれた初日、開館と同時に図書館にお邪魔し、福袋を借りに来た方にお話しを伺ってみました。
1番最初に来られたのは和戸在住の女性。
福袋を楽しみに半年ぶりに図書館に来ました、とお話ししてくれました。
選んだ福袋は『万年筆』
万年筆という言葉から色々な事を連想していたら、気づいたら手に取っていたそうです。
選んだ理由をお伺いしたところ、“書くことが好きだから”
詩を書くご友人の影響もあり、ご自身でも詩を書いてみたり、気になる歌の歌詞を書きだすこともあるそうです。
どんな本が入っているかは予想がつかないのですが、想像するだけでも楽しい、と嬉しそうに貸出カウンターへと行かれました。
私自身が『万年筆』というテーマを目にした時、いったいどんな方が借りていくのだろうと気になっていたタイトルの1つだったので、この方に選んでいただけてなんだか嬉しくなりました。
図書館に入るなり福袋を目当てに真っ先に駆け寄ってきた2人の男の子。
恐竜好きなお兄さんは『化石』を、『消防』を選んだ弟さんの理由は「かっこいいから!」
対象年齢も記載されている細やかな心遣いからも司書さんの優しさが伝わってきます。
「去年は初日に来れず、残ったものの中から借りました。」という女性は、今年は沢山の福袋の中から選ぶことができて本当に嬉しいとお話してくれました。
去年は『ヨーロッパのお化け』というテーマの福袋を選び、それまであまり興味がなかったヨーロッパの古城の美しさに気づき、今まで知らなかったことを教えてくれた福袋の虜になってしまったそうです。
今年は2セットをチョイス。1つは寅さん好きの娘さん用で『車寅次郎の言葉』を。
ご自身用にはご友人が宝塚の宙組が好きなので『宙組』を借り、活字を通してどんな発見があるか楽しみ、と笑顔で帰られました。
その後は、親子で1つずつ悩みながらも楽しく借りていく方や、敢えてタイトルを見ずに後ろからくじ引きのように持って行かれる方もいらっしゃいました。
~図書館の福袋 楽しみ方~
①タイトルから色々想像する
大人用は30セット、子ども用は20セット用意された福袋は、タイトルを一目見て中身がだいたい分かるものもありますが、色々と想像が膨らむものもあります。
『爆発だ!』や『耳をすます』、『ぺんぎん』や『納豆』など、みなさんはどんな本が入っていると予想しますか?
②福袋を開ける瞬間
どんな本が入っているか、を見る瞬間が1番ワクワクします!
タイトル自体には興味があって選んだ福袋ですが、意外な本のチョイスに「そうきたか…」とくすっと笑ってしまうことも。
③本を読む
普段手にしない本を読んでみる。
タイトルは気になっているものを選んでいるので、思わぬところで発見があったり、さらにこの本を読んでみよう、と広がったり…
やっぱりこの福袋を選んで良かった、という満足感が得られます。
~実際に福袋を借りてみました~
今回私が借りた福袋は『日本語おもしろい』
入っていた本は…
「翻訳がつくる日本語」「シルバー川柳12」「舟を編む」の3冊です。
言葉自体には興味があり、キャッチコピー集などは借りたことがありますが、自らこれを読んでみたい!とは思ったことがないラインナップでした。
福袋についてお話を伺った際、司書の水口さんはこんな想いを話してくれました。
“人と本の橋渡しをしたい”
まさにこの福袋は今まで手に取ることのなかった本と私の橋渡しをしてくれました。
図書館には本を検索するためのパソコンがあり、なかなか司書さんとお話しする機会がありません。
いわゆる人気の本だけではなく、本当に読んでほしい本をたくさん知っているからこそ、福袋には、人と本をつなげる司書さんの想いが込められています。
2023年の福袋は約1週間でなくなったそうです。
色々な想いが詰まった大好評の福袋。また来年も楽しみですね!
関連リンク
編集後記
今回取材して、福袋をご自身で借りる方だけでなく、ご家族の為にも借りていく方が多いことに気づきました。
これなら喜んでくれるかなぁと誰かを思って選んでいく、そんな光景もなんだかほっこりしました。
図書館では福袋以外にも利用者の方に喜んで頂けるようなイベントがたくさんあります。
2か月ごとに変わる特集コーナーでは担当の司書さんによる本の紹介や、児童コーナーの大きな窓にも季節ならではのものが飾られています。
利用される方のことを思って工夫された図書館内もぜひ見てみてくださいね!
2023年1月取材