手作りの陶器に出会うと
手に取って
土のぬくもりを楽しむのが好きだ
いつか自分も作ってみたいと
なんとなく思っていた
以前から気になっていた小さな看板は
陶芸教室の案内
ちょうど知り合いが通い始めて
とても楽しいと聞いたので
一日体験で仲間に入れてもらうことにした
冷たい粘土を触っていると
いろいろなものから解放されるのを感じた
頭の中には
イメージした器だけ
その形を目指して
手を動かしていく
「土は生きている」
と長年通っている方たちが
実感を込めて言っていた
まっすぐにしたつもりが
焼きあがると曲がったりすることがあるそうだ
思い通りにならないこともある
それが また楽しいらしい
自分も轆轤(ろくろ)を使いこなして
自由にイメージ通りの器を作れたらいいな
自分が作った食器に料理を盛りつけて
家族で食事をする
そんなことを夢見て
なんとか器を完成させた
出来上がった作品は
よく乾燥させて
素焼をしてから本焼となる
色は大好きなネイビーブルーに決めた
ゆっくりと仕上がりを待つのも
また楽しい時間
そして
季節は実りの秋を迎えた
あちこちの庭先に
柿がたわわに実り
小学校や保育園では
子どもたちが育てたさつまいもの
芋掘りが行われる
この前は真蔵院で
たくさん銀杏を拾ってきた
この時期になると
毎年、近所の農家さんから
とれたての新米を分けてもらう
新米のみずみずしいおいしさは
その時にしか味わえない贅沢
ちょうど器が出来上がってきた
手に取ると
ごつごつした感じが心地いい
色も素敵に仕上がった
夕食まで待ちきれずに
炊きたての新米を盛ってみる
「お味見どうぞ」
温かいご飯のぬくもりと一緒に
伝えていきたいのは
生活を楽しむことや
物を大切にすること
自然の恵みを頂きながら
ここで
毎日を大切に生きてゆこう
今回撮影にご協力いただいたMさんファミリー。奥さんはアパレル関係の仕事をしていたので裁縫が得意で、この日娘さんが着ていたワンピースは奥さんが作ったものだそうです。ご主人と一緒に手入れをしているお庭には季節のハーブを植えていて、「ハーブティーにしたり入浴剤として利用したりと生活に取り入れて楽しんでいます。」とのこと。町内の奥さんのご実家ではお米を作っているので、田植えの時期にはご主人が休日を使ってお手伝いします。「田植えを手伝って5年くらいです。トラクターにも乗れるようになりました。」撮影で娘さんがおいしそうに食べていたご飯、実はパパが作ったお米でした! ※今回の記事は、移住された方々からのインタビューをもとに取りまとめ編集したものです。 |