高橋 真紀
英語教師
2018年移住 加須市出身
はつらつとした笑顔にしゃんと伸びた背筋、洗練されたファッションに身を包み、はきはきした雰囲気が印象的。お話ししていると、時々発音のいい英語が飛び出すことも!宮代の魅力を伝えるユニット「宮代は日本のフィンランド」の活動もしている高橋真紀さんにお話を聞きました。
アメリカやエジプトで過ごした子ども時代
父の仕事の関係で4歳から4年間アメリカに住んでいました。
一人一人意見を持っていることが当たり前で、人と違っていてもいい、
誰もが尊重される存在だということが普通のお国柄。
学校では「どう思う?」と、いつも問われるので、常に考えて自分で決める、それが基準になりました。
高校生の頃にはエジプトへ。
カイロのマアーディ地区という一般の住宅地に住んでいましたが
そこから30分ほど行ったところにある高級住宅地の中が
アメリカの町のようで驚いた思い出があります。
インターナショナルスクールでアフリカ系の女の子とルームシェアしていました。
ボールペンや歯磨き粉などがたびたび失くなるので、彼女に聞くと「そうよ、もらったわ」と。
彼女には泥棒しているという意識はなく
「モノは誰かひとりの所有物ではなく、みんなで共有するもの」という考え方に
文化の違いと世界の広さを知り、大きな影響を受けました。
卒業後は2年間、イギリスへ。
ウィンブルドンは宮代のような静かな田舎町で
古いモノや生活を大切に暮らしている人々の姿がとても素敵でした。
海外ではどんな小さな田舎でも必ず観光案内所があり、気さくに教えてくれます。
ある土地ではバス乗り場を尋ねたら
「今日はお天気が良いからぜひ歩いてこの町を見てね!」なんて声をかけてくれたりしました。
通訳や英語講師のしごと
大学で日本に戻り、広告代理店に就職。
洋画を見てビデオパッケージの裏面に載せるあらすじを日本語でまとめる仕事をしていました。
職場には当時英語を話せる人が少なく、
オードリー・ヘップバーンさんの通訳をさせていただいたこともありました。
その後は英語講師として海外勤務のビジネスマン向け英会話講習や
大学、小学校でも教えていました。
しかしあくまでも日本式の教え方だったので、
いつか私が海外で受けてきた自己肯定感を育てるような方法で
日本の子ども達に授業をしたいと思うようになりました。
仲間との出会いと、やりたかった英語授業
元々は加須に住んでいましたが、子育てを終え、夫と二人で過ごすための場所を探しはじめました。
のんびりした所で暮らそうと最初は他県で探していましたが
不動産屋さんからたまたま教えてもらったのが宮代町でした。
都会過ぎず田舎すぎず、何不自由なく揃っているけれど緑が多い。
このハイブリッド感がすごくいいですよね。
好きな建物は宮代町役場。
木の温もりと窓から差し込む光、開放感がなんとも素敵です。
私の住んでいるまわりにはアクティブな子育て世代が多く、子どもたちをよく見かけます。
宮代に越してきてすぐ、子どもの居場所作りの仲間たちと出会い、活動する中で
やりたかった英語授業を日本の子ども達に実践できることになりました。
円になって座り、みんなで意見を出し合います。
「友だちと同じじゃなくていいんだよ」ということや
「〇〇してはダメよ」ではなく「〇〇していいよ」と伝えたい。
それが自己肯定感につながっていくと思います。
「宮代は日本のフィンランド」結成
2020年の秋に、あるワークショップに参加しました。
対話をした中で「海外の人にもっと宮代に来て欲しい。
観光案内所があったらいいな。」と話したのがきっかけで、
「宮代は日本のフィンランド」を結成しました。
このチームでは、宮代の美しさをSNS投稿したり、
フィンランドの文化を宮代で知ってもらう活動に取り組んでいます。
写真展やイベント出店、
みやしろイルミネーションに参加など、色々楽しいことをしました。
宮代はたくさんイベントがあり、町民同士仲良くなれるチャンスが沢山あります。
また、それを応援してくれる懐の深さを感じます。
フィンランドは幸福度世界1位と言われていて、それはどうしてかな?と考えると
ゆとりを持って生きることができるからかも知れません。
だとしたらそれは宮代でも叶っている気がします。
色んな角度から楽しめるこの町は、万華鏡のよう。まだまだ余白があり可能性があると思っています。
【編集後記】 初めて移住者インタビューの記事を担当しましたが、親しくさせていただいている真紀さんがゲストとの事で、これは私が書きたい!と思いました。真紀さんは、奥ゆかしさもありながら、何にでも物おじせずトライし、熱い情熱を持っている女性。英語で言うとスマートでしょうか。脳ある鷹とは真紀さんのこと。今後の活躍が楽しみです。 (横川直美) 取材日 令和4年2月4日 |