宮代町にある4つの小学校の1つ、須賀小学校は、宮代町の北西側にあり、のどかな立地の小学校。宮代町では小中学校の適正配置の計画があり、明治6年開校の歴史のある須賀小学校が初めに再整備されることになりました。令和9年度の完成をめざしており地域のコミュニティ施設が併設されることになります。
須賀小学校は戦後間もない頃、生徒がどんぐりを集め、それを資金にしてピアノを買ったという逸話の残る「どんぐりピアノ」が有名な小学校です。その「どんぐりピアノ」からとった、須賀小地域拠点を検討する「どんぐりとピアノプロジェクト」に参加した一人の町民に変化が芽生えていきました。
どんな変化があったのか。。。
はじめの一歩のはじまり、はじまり~♪
キッカケは宮代町のイベント参加
出産後にコロナ禍で人との関わりは希薄になり、自粛自粛で外出できず「私の存在を知っている人がこの町にいないのでは」と思うほど孤独を感じ、子どもと一緒のイベントを広報や町の公式ラインで見つけては参加し、少しずつ顔見知りが増えていきました。その後、職場復帰しイベントと疎遠になっていた時、子育て世代の意見も聞きたいとお誘いを受けて、このプロジェクトに関わりだしました。
小学校の再整備?
そんな重大プロジェクトに関わっていいの?
私が意見なんか出せるのかな?最初は不安も大きかったけれど、参加した後のワクワクが止まらず、そんな不安は吹き飛びました。
最初のワークショップは宮代町にあったらいいなという夢を伝え合い語り合う時間でした。
のどかな田園風景の須賀小の地区がどうなったら楽しくなるか。
ピクニックできる芝生があったらいいな。
カフェがあったらな~。
校庭でキャンプができたらいいな。
学校に泊まれたら楽しいね。
印象的だったのは同じテーブルの須賀小在校生が話してくれた、宮代町立図書館までの道のり。子どもだけでは行けないので、親に送迎してもらっているという事実にびっくり。須賀小学校に図書館があったらなというアイデアにもつながり、新しい気づきがありました。
どんぐりとピアノはじまり、はじまり会議のはじまり。
みんなで話し合った「あったらいいな」の後、須賀小の再構築にあたり地域住民の声や宮代町の雰囲気を知りたいとのことで、基本計画策定に携わる建築士さんとコミュニティデザイナーさん、役場の職員さんが話を聞いてくださることになりました。その道のプロと話したことで、なんだか自分の中でも関わっている実感や自信が持て、どんどん夢も膨らみ、夜な夜な未来の須賀小の妄想をするまでになりました。
これから須賀小の再構築を盛り上げる為に、住民参加のシンポジウムやワークショップが行われるという話。「ただシンポジウムという名前ではもったいない。楽しそうな名前がいいな。」という雑談から、須賀小のどんぐりピアノにちなんだ『どんぐりとピアノはじまり、はじまり会議』という名がつけられ、気づけばキャラクターまで誕生していました。
子どもも大人もごちゃまぜワークショップ
最初のシンポジウムでは子どもを別棟の保育に預けて参加していたのですが、会場に入るとキャラクターのディスプレイや体育館の跳び箱や、マットが参加者の座席になっていて、町長がどんぐり帽子を被り、バッジやお菓子のお土産もどんぐりにちなんだ物が用意されていたりして。。。
これからどんな楽しい会議になるのだろうと、私も他の参加した方もワクワクがあふれ出すような雰囲気でした。
子どもを保育に預けずにこの楽しい雰囲気を一緒に味わいたい、子育て世代がもっと参加しやすくなったらいいなと会場で子どもを遊ばせてもいいかどうかの提案をしてみると、あっさりOKとの返事。
全3回のワークショップでは、いつの間にかマットや跳び箱やボールなどが用意され、小さな子どもたちは時々親の元に来てはまた遊びに出かけ、「静かに」なんて言われることなく、のびのびと体育館中を走り回っていました。
それがとても嬉しくて、自分も子どもも楽しめ、もっと楽しくなっていきました。
【第1回目のワークショップ】
「地域のどんぐり(じぶんごと)を集め、ピアノ(小学校)にしていく」をスローガンに、受付では子どもにも名札を配ってくれ、他にも子ども連れの方が何組かいらっしゃり、小学生や幼稚園生、大人も子どもも入り混じります。
どんぐりを使ったゲームをしながらチームに分かれ、町長や校長先生に議員さん。何校も小学校を建ててきた建築家さんや宮代町にある日本工業大学の教授もごちゃまぜのワークショップは相乗効果抜群。
一人が出したアイデアにどんどん上乗せされていくアイデア。子どもならではの自由で柔軟なアイデアに大人は舌を巻き、共感し合いました。
例えば
ゲームセンターが欲しいという子ども⇒先生も一緒にできたら楽しいねと意見が出て⇒親としては知育になるようなゲームなら申し分ない…
というように子どもが出したアイデアを大人がまた生かしてアイデアにしていく様子がありました。
大人も子どもも平等、もしくはそれ以上に子どものアイデアが輝いて、宮代町に関わる子どもたちも一人の住民として参加し、受け入れられ、大人も子どももごちゃまぜで楽しんで新しい小学校ついての会議をしていく姿は、宮代町の温かさそのものだと感じました。
【第2回目のワークショップ】
夢を語ることで「じぶんごと」になったアイデアをもとに、特別教室や地域拠点ごとに、図工・家庭科・多目的ホール等のチームに分かれ、地域と繋がる小学校づくりを皆で考えていきました。町外から来てくれた参加者もいて、宮代町だけでない関心の高さを感じました。
【最後のワークショップ】
仮の建築模型のお披露目もあり、その模型を取り囲む目をキラキラさせた大人たちや、体を乗り出してのぞき込む子どもたち。大人も子ども関係なくアイデアを出し合った結晶を見たかのようでした。その後、配置やもっとこうしたらというアイデアを直接建築士さんに伝えられるブースも設けられ、アイデアが重なり繋がっていく様はまさに「じぶんごと」が「小学校」となるワクワクそのものでした。
出会いつながるどんぐり会議
シンポジウムに参加した後、「100年続くかもしれない小学校に自分のアイデアが採用されるかもしれない」というワクワク感をもっと多くの人に知ってもらいたいねと建築士さんやコミュニティデザイナーさんと盛り上がり、Instagramでの情報発信をすることになりました。
公開されているSNSでの発信は初めて。コミュニティデザイナーさんが公式をやってくださるとの事で、私は非公式どんぐりとして発信を始めることに。
須賀小がこうなったら楽しいなと妄想しながら考えたストーリーズは、気持ちが入り長文になりがち 笑
自分のペースで皆がワクワクするような投稿やストーリーズを考えることが楽しくなり、投稿を見てワークショップに参加してくれる方やワークショップでアイデアを出し合い共感した人たちもどんどん繋がり、あんなに孤独に感じていた日々が、ウソのように色々な方と繋がっていくのが楽しくて。。。
町の中で自分の存在自体が少しだけ認められたような気がしました。
どんぐり会議での波紋も少しずつ、でも着実に広がっているようです。。
これから、これから会議
全3回のワークショップを終え、基本計画が策定されようとしています。須賀小区域の地域拠点ができるまでどうするか。盛り上がった気持ちを惜しむように、ワークショップで出会った方同士が繋がり続ける「これから、これから会議」が立ち上がり参加できなかった方も含め、引き続き盛り上げていきたいと集まることとなりました。
須賀小地区の地域拠点ができてからの話や開校するまでにできること。
マルシェへの出店?
取り壊し前に学園祭?
夏祭り?
お花見?
写真撮影会?
そんなワクワクもまた始まっています。
須賀小学校の再整備プロジェクトに関わり、半年前にInstagramを始めたことによって、宮代町情報を集めるようになりました。そして、今はまだ宮代町の中であまり目立っていない須賀小地域や、最寄りの和戸駅周辺を盛り上げたいという気持ちも高まってきました。
須賀小地域で、子育て支援の『みやハグコンサート』をお友達と開催したり、コーヒーを飲んで顔なじみをつくる地域のごみ拾い活動『CCC宮代』を実現できるよう活動したりしています。
地域のイベントにちょっと参加しただけで、こんなにも私自身が前向きに変わっていき、孤独だった日々は嘘のように知り合いがどんどん増えていきました。
“地域を盛り上げたい”と一緒に伴走してくれるお友達やママ友を超えた同志がいて、新参者でも受け入れ見守って下さる地域の方たちがいて、それをサポートしてくれる町の職員さんがいることも心強く、そこには温かい町の暮らしがありました。
ただの町民が『まちづくり』に関われる、溶け込める仕組みがこの町にあるからこそ、もっと#みやしろまちを盛り上げていきたい気持ちが高まり続けているところです。
writing by どんちゃん
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