井沢弥惣兵衛による笠原沼の開発では、250石余りの新田が開かれました。
ほっつけは、掘上田とほっつけを利用した田んぼの総称とされています。
今では、新しい村にある堀上田の愛称としての「ほっつけ田」が、身近になっているかもしれません。
ここからは現代に戻り、ほっつけの今を見ていきましょう。
細長く連なる、櫛歯状(くしばじょう)の形が特徴的ですね。
エリアとしては地図の右側、新しい村の調整池の裏手から町立図書館へと続くあずまや橋の手前までが、
まさに堀上田が復元されている場所です。
【「新しい村 enjoyMAP」新しい村ホームページより引用】
「新しい村」をはじめ、自然保護団体やボランティアが、昔ながらの田んぼや風景を大切に守り、
さらに観光や環境・教育・福祉など、さまざまな分野で活かしていこうと取り組んでいます。
春になるとバッタやザリガニ、夏にはアメンボ、秋にはトンボを見ることができます。
春には野草を摘んだり、夏にはまこもを刈って七夕飾りを作るなど、
四季を楽しみながら自然とともに暮らす、里山文化が受け継がれています。
また、「新しい村」では毎年、田植え(5・6月頃)、稲刈り(9・10月頃)、
自然観察会(通年)といった体験イベントが行われています。
町内では小学校の総合学習の授業で活用されたり、
町外からは稲刈り体験に参加するために、遠方から訪れる親子連れも多いのだとか。
稲刈り体験では、もみ殻を燃料にした炊き立ての「ぬか釜ごはん」が食べられることでも人気です。
田植えのときの泥の感触、稲を刈るときの匂い、小さい生き物や野草とのふれあい。
宮代町は、歴史あるほっつけや豊かな自然を、身近に感じられる町です。
【編集後記】 取材は「“ほっつけ田”ではなく、正しくは“ほっつけ”です!」と教わるところから始まりました。 郷土資料館では、笠原沼新田の開発の変化を模型で見比べることができます。江戸時代に機械もない中で、あの細かく整った形を作り上げたことには驚かされました。魚の骨のように規則的な形が、上から見るとより印象的です。 地域の歴史を知ることで、見慣れた景色を通して、かつて生活していた人々やその営みに思いを馳せることができます。 |
<取材協力>
宮代町郷土資料館
<関連リンク>
広報みやしろ2024年11月号 特集記事「都心から一番近い里山」
新しい村
宮代町デジタル郷土資料「宮代町史 民俗編」ホッツケ田
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