気に入った石段に腰を下ろして
ここから空を眺めていると
私と空は一体で
自分の中にも 何か
大きな力があるような
そんな清々しい気持ちになる
ここを歩いていると
一瞬 自分がどこにいるのか
わからなくなる時がある
古代の遺跡に迷い込んだような感覚
遺構のように続く石段は
注意深く歩かなければ
足を踏み外してしまいそう
歩いていると また
不思議な感覚に襲われる
地上を歩いていたはずなのに
いつのまにか2階へ来ていた
広場を囲むようにカーブを描く回廊
まるで建物そのものが森のようだ
空に向かって伸びる柱は
人知れず成長を続けているのかもしれない
JR沿線にこだわるのをやめて
この町をみつけた
建物の持つ 自由な空気に
どんな人でも受け入れてくれる
おおらかな優しさを感じた
あちこちにある葡萄のモチーフ
この町の特産品である巨峰のイメージ
建物を覆う蔦に混ざり
葡萄の枝も伸びていて
秋には甘い実を付ける
不思議な形の椅子とテーブルは
どう組み合わせるのが正解なのか
よくわからない
もしかすると 正解などなく
「あなたは どうしたい?」
と 問い掛けているのかもしれない
自由な発想が集まってくるのを
この建物は楽しんでいるようだ
ここには
いつでも それぞれの居場所があって
だからこそ
人と人とが繫がってゆける
〝この建物には未来を感じる″と
誰かが言った
時を越えて
そこにあり続ける町のシンボル
宮代町 進修館
今回撮影にご協力いただいたルベンスさんファミリー。東京都調布市より移住。奥さんの実家が白岡市なので、JR沿線に物件を探していましたが、東武線沿線には遊園地があるとご主人が気づき、東武動物公園駅周辺でも探してみることにしたそうです。 |